令和4年6月、宇土市議会では、代表質問が行われ、元松市長の施政方針に対する質疑が行われた。
今回は、特に「安心・安全のまち」を実現するための施策が焦点となった。
市長は、防災士の育成について強調し、地域住民の防災意識の向上を図る考えを示した。具体的には、熊本県が開催する地域防災リーダー養成講習の宇土市開催計画を進めていると述べ、地域自主防災組織のリーダー役割を強化する方針を示した。
また、避難所の防災機能向上にも取り組みを加速中である。今後の計画として、網津防災センターなどに防災井戸やトイレを整備することが挙げられている。新型コロナウイルスの影響も考慮し、感染症対策を適切に実施しつつ、万が一の際には迅速に対応できる体制を整える必要がある。
「暮らしを守る」施策としては、都市計画道路の整備が重要なテーマとなった。道路整備は、交通機能の向上だけでなく、災害時の避難路としても期待されている。特に北段原線の 整備は、市内の交通環境を改善し、今後の土地開発にも寄与すると考えられている。
企業誘致に関しても市長は積極的な姿勢を示し、補助金や税制優遇措置を通じて新しい企業の誘致を進める考えを表明した。今後、熊本県内のハイテク企業の進出に便乗して、関連企業の誘致を目指す計画もあるが、特に中小企業や農業への支援が不可欠である。
「賑わいを創造する」施策に関連して、観光振興も重要なテーマとされている。住吉海岸公園に設置されるONE PIECEのキャラクター銅像が観光資源として注目されており、市長は公園内での観光客誘致への期待を述べた。今後、観光業と地元の漁業との共存共栄も課題として残るところだ。
最後に、「子育て・教育の充実」に関しては、特別支援教育やICT教育の強化が期待されている。市長は、今年度から小中学校に対してタブレット端末の導入を進めると共に、無線LAN環境の整備を推進し、子どもたちが学びやすい環境を整える考えを示した。