令和２年３月１２日、陸前高田市議会の定例会が開催され、重要な予算案が審議された。
議案第37号から第44号までの新年度予算案は、全体として671億1,400万円の規模であり、復興期間の最終年度における重要な試金石と位置付けられた。この中には、一般会計予算や介護保険特別会計予算など、具体的な施策が含まれている。
予算等特別委員会の委員長を務める鵜浦昌也氏は、予算案について「出席委員全員が一致して原案可決を決した」と述べた。特に注目されたのは、地域に密着した施策が取り入れられている点で、特に地域交付金による地域課題の解決が期待される。
１番の木村聡氏は、賛成討論の中で「市民が主役となるまちづくりを実現するための予算が組まれている」と強調した。具体的には、生産性向上と地域活性化を図るための各種事業が挙げられた。特に農業や漁業の担い手育成が重要視され、新たな支援策が導入される運びになる。
また、年度内には市民文化会館がオープンし、公共施設の整備も進み、市民の利用が容易になることが見込まれている。教育や医療、福祉に関する施策も充実しており、特に子ども医療費助成制度の拡充が市民に好評である。
ただし、全体としては課題も多い。議案第41号の国民健康保険特別会計予算に対しては反対の意見もあり、特に保険料の引き上げが懸念されていると、伊勢純氏は述べている。彼は「市民の負担を軽減するための取組が求められる」と言及した。
一方、市長の戸羽太氏は、「これまでの復興事業を継続する中で、持続可能なまちの創造を目指したい」との意を示し、さらなる施策展開を約束した。新型コロナウイルス感染症に対する対策にも力を入れると思わせる発言があり、議会全体としてこれからの課題への対処が求められる。今後の実行に対する期待が高まる中、議会はこれらの施策の成果を確認し、継続的な支援に努めることが求められる。
定例会はすべての議案が可決され、戸羽市長は市民との連携を強調した。これにより、陸前高田市における新たなスタートに向けた強い意志が伝わった。