令和4年第1回定例会では、各議員の積極的な質問が相次ぎ、市民生活や地域の将来に関わる重要なテーマが提起された。特に、新型コロナウイルス感染症の影響が色濃く残る中で、オミクロン株による感染拡大防止とワクチン接種体制についての議論が中心となった。
大坪涼子議員は、新型コロナウイルス感染症が地域社会に与えている影響に懸念を示し、特に医療従事者へのワクチン接種の進捗状況を質した。市長の戸羽 太君は、感染状況を受けたワクチン接種の進め方について説明し、「市民の協力のもとで、感染症対策を徹底することが必要である」と述べた。市内におけるワクチン接種率も着実に向上していることが確認されたが、医療従事者や教育関係者への優先接種の必要性も強調された。
次に、福祉部長の千葉 恭一君は、エッセンシャルワーカーの処遇改善について報告し、国の支援を受けて福祉・介護職員の賃金改善策を講じる意義を説明した。これにより、医療や福祉の現場で働く方々の質の向上を図りたいとの方針が示された。また、地元のエッセンシャルワーカーを支援する施策についての検討も進めるとした。
防災集団移転に関する今後の課題も話題に上がり、さらに元気な街の実現に向けて、より一層の協力が求められている。特に、震災後の住宅再建が進むなか、一部未再建の空き地問題が指摘された。議会の中では、過去11年の経過を振り返りながら、集団移転事業の継続的な支援がいかに重要かが議論された。
また、交流人口拡大と地域ブランド化が次重要なテーマとなり、観光やスポーツイベントの施策改善提案が行われた。観光業界や関係者との連携を強化しつつ、「たかたのゆめ」などの地域資源を最大限に活用する新たな活動が期待されている。
ピーカンナッツ事業についても再度質問があり、作業の進捗状況や地域への経済波及効果が重要な焦点とされ、長期的な事業計画へとつながる要望が相次いだ。市長は「継続した郷土愛を育むことが、この期待に応える鍵になる」との意義を訴えた。
このように、令和4年第1回定例会は、地域が抱える課題に応じた的確な対応を求める重要な場となった。市民とともに歩む、持続可能で強い陸前高田市の実現へ向けた決意が示された。
事務局も、これらの意見や要望を次回の施策検討に活かす姿勢を見せており、今後の進展が期待される。