令和5年10月5日、陸前高田市の第3回定例会が開かれ、一般質問が行われた。議員たちは、現在進行中の課題に焦点を当て、特に重点課題として津波と原発事故後の影響を受ける漁業や地域振興についての議論が交わされた。特に、東京電力福島第一原発事故の影響で開始されたＡＬＰＳ処理水の海洋放出が話題となった。
伊藤明彦議員は、政府が発表した海洋放出による漁業関係者への影響について、市としての見解と対応を求めた。市の担当者は、経済産業省等との意見交換の結果を踏まえ、漁業業界への配慮がなされてきたものの、輸入規制が予測されることから、影響が出る可能性があると述べた。市は、漁業関係者と連携し、必要な対応を講じていく姿勢を示した。
次に、農林水産業の生産額倍増についても議論された。市は、これまで農業や水産業に対する支援を行ってきたが、特に水産業に関しては、今後のサーモン養殖事業の進展が期待されていることに触れた。サーモン養殖が本格的に始まることで、地域の水産業全体の生産額が向上する可能性があると見込まれているが、市長は柔軟に対応できる体制を整えていく考えを示した。
さらに、地元小学校への就学支援について、矢作小学校の保護者が放課後児童クラブの必要性を述べた。この小学校では、放課後の居場所が限られていたため、保護者が意見を出し合い、解決策を見いだすための努力が必要だという見解が一致した。教育委員会もその必要性を感じており、地域の皆様との協力を推進していく意向を示した。
市民からの意見や声を受け、市として果たすべき役割も明確にしていく必要がある。市の担当者は、こうした意見を受け止めながら、今後の施策を創造的に進めていくことを強調した。議会は、特に市民のニーズに即した施策の展開を求めている。今後、地域と市が協働し、これらの課題に取り組む姿勢が重要であると感じられた。