令和5年12月13日に行われた大船渡市の定例会では、議員による市政に対する一般質問が展開された。
初めに、光政会の宮﨑和貴議員が人口減少について取り上げた。当市の人口は2025年には高齢化率が約40%に達し、これは急速な人口減少を指摘するものであると述べた。さらに、産業振興と空き店舗の活用が必要不可欠であるとの意見が出され、空き店舗に関する利用状況や支援補助について質問した。
宮﨑議員は「産業の振興が市の未来に大きな影響を与える」と強調し、従来の空き店舗の利活用方法や商業集積地の現状を踏まえた質問を行った。市長の渕上清氏は「企業誘致は重要な施策であり、各種物件を紹介する取り組みを進めている」と答弁した。
続いて、職員の人材育成についても話が及んだ。宮﨑議員は、「職員一人一人の負担が増加する中、スキルアップを図っとることが必要だ」と言及し、職員の人材育成と意識向上の必要性を訴えた。市長は「人材育成の強化は重要であり、職員の意見を反映させた施策を展開していく」との考えを示した。
その後の質問では、森亨議員が大船渡市の観光および経済振興について一般質問を行った。観光振興の必要性に触れ、海を活用した観光施策の強化を提案。「カジキ釣り大会を再開することにより観光客を呼び込みたい」との意向も示された。市の回答として、商工港湾部長の今野勝則氏は「観光施策としてカジキ釣りの再開は有意義な提案であり、引き続き各関係者との調整を進める」と述べた。
最後に、渡辺徹議員が防災行政無線から流れる音楽について質問を行った。音楽は市民が親しんでいるものであるが、「なぜメロディーが選ばれたか」という点について、選曲の基準や今後の改編の可能性などが話し合われた。水産課長の新沼秀樹氏は「市民に親しまれており、変更には慎重になる」との報告を行った。
今回の議会では、市政の課題である人口減少への取り組みや、観光振興策、さらには市民に愛着を持たせる試みに対する意見交換が行われた。市政の進展には各議会員が示した施策への提言が求められる。