宮古市議会は令和5年6月定例会議を開催し、人口減少や地域の活性化についての議論が集中した。特に、松本尚美議員が提案した人口急減非常事態宣言の発令が重要な焦点となった。この宣言は急速に進む人口減少の現実を市民と共有し、実効性のある施策を再構築する呼びかけとして位置付けられるものだ。
市長の山本正徳氏は、急減する状況を認めつつ、現行で進めている施策や、総合計画に基づく取り組みが重要であるとの見解を示した。しかし、議員らからは、人口減少についての市民の危機感が不足しているとの指摘が相次いだ。松本議員は市民がこの急減にどれだけの危機感を持っているか、認識を再確認する必要があると強調した。
次に地域活性化の取り組みに関しては、特定地域づくり事業の推進が必要であり、市民と事業者が連携して、さまざまな職業選択肢を提供することが求められる。この提案に対して市長は、地域自体が推進することが重要であり、役所が主導することなく地元の主体的な活動を促す姿勢を見せた。
また、内部通報制度についても言及され、現行のハラスメント防止策を発展させるべく、制度の整備を検討していることが伝えられた。議員からは外部への通報の窓口設置の重要性が指摘され、議論が続いた。
さらに、都市ゴミのエネルギー化に関する政策についても議論がなされ、新たなエネルギー源として廃棄物を活用する方向性が示された。市は再生可能エネルギーの導入を進めることが求められ、地域資源の活用による循環型社会の構築が期待されている。
本会議では、人口減少への危機感や地域活性化に向けた具体的な提案が数多く挙げられ、今後の施策に向けた重要な議論が展開される場としての役割が果たされた。