令和4年3月、宮古市議会では重要な議題が取り上げられ、特に障害者控除や巨大地震対策、漁業振興策についての発言が注目された。
まず、落合久三議員が提示した障害者控除対象者認定書の発行に関して、山本市長は、制度改善に向けた取り組みの必要性を認めた。市長は、今後、障害者控除の対象者に対してアプローチを強化し、申請手続きを簡略化することを約束した。これにより、障害認定者の経済的負担を軽減し、市民サービスの向上を図りたいという意向が示された。特に、山形市の先進的な取り組みを参考にし、助け合いの体制を強化する必要性が強調された。
次に、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震についても、落合議員が切実な訴えを行った。内閣府の予測によれば、今後7年以内に発生する可能性が高く、特に冬季の非常事態に備えた対策が求められている。市長は、防災訓練と避難計画の重要性を認めており、具体的なシミュレーションを通じた避難行動の啓発が必要だと述べた。
さらに、漁業振興策として秋サケの水揚げ増に向けた取り組みが議論された。近年、岩手県の秋サケ漁獲量が前年よりも大幅に減少していることが問題視され、地元漁協との連携強化が喫緊の課題として取り上げられた。市長は、稚魚育成や養殖技術の研究を通じて漁業の振興を図っていく姿勢を示した。
また、白石雅一議員によって洋上風力発電や木質バイオマスエネルギー利用についても提案がなされ、これらが地域経済の活性化に寄与することが期待されている。市長は、再生可能エネルギーの導入に前向きな姿勢を見せ、地域特性を生かしたエネルギー施策を進める重要性を強調した。
これに際し、農業振興に関しても地域経済の中心として注目され、農業者の育成や地域での連携を強化する必要があるとされている。特に、地域農業マスタープランが策定され、農業者との合意形成が重要なカギとして浮かび上がった。あわせて、藤原光昭議員からは、中山間地農業の振興と農業委員会の役割についての質問もあり、地域農業の活性化が今後の課題であることが確認された。
このように、本議会では、障害者や漁業、農業、人々の生活に密接に関連する多くの議題が取り上げられた。市としては、各施策において、引き続き地域振興、住民福祉の向上を図り、持続可能な社会の構築に取り組んでいく方針が示された。