令和3年6月の宮古市議会では、公共施設再配置計画やコロナ禍の観光戦略が中心議題となった。
熊坂伸子議員は、公共施設再配置計画について言及し、宮古市の公共施設の利用効率化を求めた。この計画では、複合利用の推進や新設の抑制、施設の統廃合などが柱として提案され、今後の地域振興にとって重要であるとした。一方、老朽化した旧田老庁舎の再整備について市長に見解を求めた。市長はこの計画の必要性を認める一方、実施にあたっては市全体のバランスを考慮する重要性を強調した。
次に、橋本久夫議員はコロナ禍の影響を受けた観光戦略について、県内外からの観光客誘致の重要性を指摘し、特に体験型観光の強化を訴えた。市長は今後の観光施策にはプレジャーボートの活用や自然環境を生かした体験プログラムの構築を通じて、地域の稼ぐ力を引き出す考えを示した。観光業の再生に向け、市和地区との連携も視野に入れ、進める方針を述べた。
また、田中尚議員は新型コロナウイルス感染症への対応について、ワクチン接種の現状を聞き取り、接種率向上のための施策を問うた。市長は高齢者に対するワクチン接種が計画通りに進んでおり、さらなる感染防止策の努力を続けると述べた。この他、市内で増加している感染者についても注意喚起し、今後の対応を適時検討すると約束した。
一方で、産業振興の重要性も議論に上がり、特に農林漁業等の第1次産業の振興が地域経済にとって不可欠であると再確認された。市は新たな産業ビジョンを策定することで、地域の特性を活かした育成プランを展開し、交流人口を増やす施策に力を入れる考えを示した。市長はこのビジョンの重要性を強調し、農業者の活動を支援する意向を表明した。
最後に、男女共生推進センターの跡地利用についても議論され、地域のニーズに合わせた新たな施策の必要性が強調された。そして、市長は今後市民と協力しながら、地域に根差した施策の策定に努める必要性を認識していると結んだ。市の施策は、公共利益を実現するための土台を築くものであり、市民の参与と理解を得ながら進める重要性が示された。