令和4年9月30日に開催された宮古市議会定例会議で、令和3年度の市の決算が全会一致で認定された。特に、17件の決算が審査に付託され、竹花 邦彦決算特別委員会委員長が「全てを認定すべきものと決定した」旨を報告した。
また、議案第14号として令和4年度宮古市一般会計補正予算が提案されたが、議会内には早急すぎるとの意見もあり、さらなる審議を求める声が上がった。その中でも特に注目されたのが、キャトル宮古不動産の取得に関する予算であり、これには9,400万円が計上された。市長の山本 正徳氏は、取得を急ぐ理由として「この土地が市の中心である以上、適正な管理と活用のためには宮古市が取得することが必要だ」と強調した。
ただし、議員の中には「このままでは町の顔である駅前の開発が頓挫する恐れがある」との懸念が広がり、賛否が分かれる場面も見られた。一方で、都市整備部長の藤島 裕久氏は、「今回の提案はただの標的ではなく、宮古市のビジョンを実現するために必要である」との見解を示し、理解を求めた。
議会では、住民税非課税世帯に対する支援特措法に基づく給付金も提案された。具体的には、物価高騰を受けて、低所得世帯に対し一律5万円を支給することが示されており、全体で約8,000世帯が対象と見込まれている。今後は11月内の給付開始を目指し、申請手続きの周知に努める方針だ。
市長は「駅前再開発は必須であり、この土地を確保することで宮古が持続可能な街を目指す」と訴え、議員の慎重な審議を求めた。一方、反対派議員は「まだ計画が不透明で、税金投入の妥当性に疑問を感じる」と述べた。これに対し市長は、「計画は進行中であり、逐次市民へ情報を提供する」とし、理解を求める姿勢を見せた。
最終的に議案は賛成多数で可決され、今後の宮古市の発展に向けた新たな一歩が踏み出されることとなった。議会内でも、市民にとって実質的なメリットを享受できる事業の実現に向けさらなる協力が求められる。