令和5年度6月通常会議(第286回)が6月21日に開かれ、様々な重要なテーマや質問が議論された。特に住民に寄り添った地域医療の充実、子育て支援の強化、そして自衛隊への個人情報提供についての懸念が目立った。
高橋久美子議員(日本共産党北上市議団)は、地域医療に関して無医地区への診療所設置を求める発言をし、オンライン診療のモバイルクリニックの具体的な運用について問うた。市長の八重樫浩文氏は、住民の健康を守るために必要な医療環境整備を重視する姿勢を示した。
また、子育て支援においては、特に子どもの医療費完全無償化について言及され、これに向けた具体策が求められた。高橋議員は、今後の支援策の拡充が子育て世帯の経済的負担を軽減する上で重要だと訴えた。八重樫市長も、子育て支援の充実を進める意向を示した。
一方、自衛隊への個人情報提供については、高橋議員が市が保有する住民基本台帳情報の提供に関する疑問を呈した。この問題では、住民のプライバシー保護に対する配慮が必要であるとされた。
議論は北上平和記念展示館についても及んだ。太田洋市議員(北政会)は、展示館の資料保存及び管理運営に関して、資料の適切な保存状態や体験型見学の実施状況について質問した。市側は資料の保存状況を評価しつつ、さらなる活用方法を模索していると答えた。
また、地域の運動部活動の地域移行についても協議された。各学校の部活動を地域スポーツ団体へ移行する取り組みについては、指導者の確保や活動の受け皿といった課題が浮上した。教育長は、地域移行への対応が進められていることを報告し、必要に応じた支援を行う意向を示した。
最後に、安徳壽美子議員(日本共産党北上市議団)が災害に強い公共施設づくりについて質問した。特に新たに整備される統合北上中学校の建設に関して、浸水対策が求められた。市は、水害対策の重要性を理解し、地域の皆さんに安心して学校に通える環境を提供するための方針を立てていくと応えた。今後も住民の声を踏まえた施策展開が期待されている。