令和2年度9月通常会議では、地域づくりや市民福祉に関わる重要なテーマが複数議論された。特に目を引くのは、区長制度の見直しによる地域づくり組織の機能強化や、終活支援や死亡後手続きの簡素化に関する質問である。これに対し、高橋 洋議員(北新ネット)は、区長制度の見直しを受けて、地域づくりの進め方と交付金について質問した。高橋 議員は、国の改正地方公務員法に伴う政策変更について問う。具体的には、地域資源を生かした事業が推進できる環境作りが急務であるとの意見を述べた。市長の高橋 敏彦氏は、現在各地区で意見交換を進めているとし、地域の柔軟な運用への期待を示した。また、終活支援に関しては、死亡後手続を簡素化するための支援体制の必要性が指摘された。
また、国民健康保険事業においても重要な問題が提示された。安徳 壽美子議員(日本共産党北上市議団)は、新型コロナウイルス感染症の影響で困難に直面している市民が多い中、国保税の減免や傷病手当金について質問した。これに対し、財務部長の高橋 謙輔氏は、減免の周知状況を説明し、申請状況や不承認となった理由について明かした。彼は、全ての納税義務者に情報を提供したとし、再度の周知を約束する。
市営住宅の住宅環境整備についても、安徳 議員が多くの課題について詳しく質問を行う。市営住宅が抱える老朽化や、入居者の生活環境を改善する必要性が指摘された。市長は、長寿命化計画の見直しを進めており、特に高齢者や低所得者が安全に暮らすための居住環境の整備が重要だと強調した。また、地域の公共交通の問題や孤立した高齢者への配慮も、今後の政策の中で検討される様子が見られた。
議会の進行に伴い、さまざまな課題が浮かび上がり、解決策に向けた共通の認識が形成されている姿勢が確認された。市民の声を反映させつつ、地域の特性を活かした取り組みを進めるためには、さらなる即応力と市民との連携が今後の課題とされている。