令和5年3月15日、北上市で行われた通常会議(第284回)で、議員たちが幅広いテーマについて質問を展開した。
まず、1番居駒勉議員が避難所運営について質疑を行った。災害時の避難者の収容能力や二次避難所の開設について、危機管理監の鈴木善一氏が詳細に回答した。
居駒議員は、避難者がペットを連れて来る場合や車椅子利用者への対応が重要だと強調した。収容人数の見直しについても議論され、鈴木氏は収容能力の基準変更の考えは現時点ではないと述べた。
次に、地域公共交通の課題について質問した居駒議員は、地元鉄道の存続問題やタクシー業界のドライバー不足が深刻だと訴え、北上市総合計画アクションプランについても言及した。市長の高橋敏彦氏は、地域公共交通の維持が一層重要であると述べ、利用者の増加を促進するための取り組みを進めていると説明した。
また、地域づくり組織の課題についても言及され、居駒議員は区長制度廃止後の課題への理解が深まり、地域づくり組織運営に関する相談件数についての報告があった。この点に関しても庁舎での対応を求められた。
続いて、21番安徳壽美子議員が男女共同参画に関する質問に立った。ジェンダー平等や、同性カップルを対象としたパートナーシップ制度導入についての議論がなされた。安徳議員は、北上市でも逐次導入を進める必要があると強調し、男女共同参画・多様性社会推進プランの進展を求めた。
安徳議員はさらに、地域共生社会実現に向けた取り組みについても質問。生活福祉資金新型コロナ特例貸付の問題点やヤングケアラーの実態調査結果について詳しく言及し、福祉部の及川佳則部長は具体的な支援策を示した。
続いて、公共施設での使用済みおむつの取り扱いをテーマにした小原享子議員が発言。手ぶら登園の導入や公共施設へのおむつ回収処理器の設置を促進する必要性について指摘。市長も理解を示し、導入状況について慎重に検討する方針を述べた。
学校でのてんかん児への対応については、保健所長や教育長が関連する方針と現行の対応策を回答した。また、ICTを活用した学習の普及に関しては、教育チームが教員研修を通じて導入を広める取り組みを進めていることが報告され、現状と今後の見通しが話し合われた。
市議会では、今回の質問を通して避難所運営や地域交通、女性の権利など多岐に渡って一般市民のニーズや課題を強く反映させることの重要性が再認識された。市側は幅広い分野において市民の声をより多く反映させるような施策を進めていく考えを示した。