令和2年度6月17日に開催された第253回通常会議では、横川目診療所の再開と地域医療の在り方、地域公共交通の整備について議論が行われた。
横川目診療所については、閉鎖以来約4年が経過し、地域住民の医療へのアクセスが大きな課題とされている。医師が退職した後、後任が見つからず休止状態が続いている。その後、民間医療機関の運営下で一時的な診療が行われていたが、これも医師の高齢化により継続が困難とされた。市民からは「診療所の復活を望む声」が多く寄せられ、これに対する行政の姿勢と対応が注目されている。市長は、「医師確保が不可欠」としながらも、地域医療の重要性について認識を示した。
「このままでは医療の機会が失われる」との住民の懸念が示された。特に高齢者や交通手段が制約される住民にとって近隣に診療所があることは、安心な医療を受けるための重要な要素である。市は、地域の医療サービスをどう確保し、充実させるかという課題に直面している。ここで、地域住民への聞き取り調査が求められる。行政は、住民の声を真摯に受け止め、今後の方針を示す必要がある。
次に、地域公共交通についての議論では、高齢者バス運賃助成事業が取り上げられた。高齢者の社会参加を促進するための施策として、年間3,000円の助成が行われているものの、その額は生活実態に対する適応が十分でないとの指摘が相次いでいる。市長は、「ニーズに応じ歩対策の拡充を検討中」と答えるとともに、地域間の交通手段についても考慮していく必要があると述べた。高齢者の交通利用が重要になる中、地域住民の要望に対し敏感に対応する行政の姿勢が求められる。
いずれにしても、本日の会議は、住民の生活を支える重要な課題が数多く議論される場となり、地域医療や交通に関する課題は、今後の政策に影響を与える大きな要因となる。市は、地域のニーズを把握し、それに応じた具体的な施策を習慣化していく必要がある。これにより、北上市の地域医療の充実につながり、住民がより良い医療を受けやすくなる環境が整備されることを期待している。