令和4年度6月通常会議で、北上市の固定資産税の誤賦課問題が議論された。特に、24番の高橋孝二議員が、市当局の対応や公益通報者への説明責任を厳しく問うた。これに対し、市長の高橋敏彦氏は、是正処置を進める意向を示したが、過去の誤りを認めることには慎重な姿勢を崩さなかった。具体的には、約4年間の間に過去の誤賦課に対する還付作業が行われ、約6,000件の対象者が確認されたことが分かった。高橋議員はこの件について、「公益通報があった場合の情報公開義務を怠ったことは、大変重大」と指摘し、今後の再発防止策を求めた。
昆野将之議員は、パブリックコメントとホームページの運営について質問。パブリックコメントの数が過去3年間で91件寄せられたことを紹介し、「もっと市民の意見を引き出す仕組みが必要」と強調した。市は地域活性化を図るため、様々な工夫を行っているが、パブリックコメントが少ない背景には、周知方法に改善の余地があるとの意見が出た。市は今後、情報発信の方法を見直し、市民の声をより集める努力を続ける方針である。
物価高騰による影響は市民生活に深刻で、鈴木健二郎議員は緊急経済対策や市民の負担軽減策について質問した。市長は国の原油価格や物価高騰に対する総合緊急対策に基づく市の取り組みを報告したが、実際の施策はまだ見えづらいとの声もある。緊急の支援策として、住宅リフォームの支援制度の拡充や公共料金の軽減を求める意見が強く、これに対して行政は検討を進めていると伝えた。
また、成年後見制度の問題も取り上げられ、太田洋市議員がこの制度の改善を訴えた。市民後見人の養成や制度の運用方法について意見が交わされ、今後はより良い制度を確立するために努力していくことが重要との共通認識が得られた。市は、制度の周知や実効性のある施策を進め、市民の権利を守る義務がある。特に、医療同意についての法解釈の見直しが提案され、より柔軟な対応が求められる場面が増えている。
最後に、議題に挙がった道の駅設置の方向性や夏油温泉の課題なども議論に上がり、各議員から地域活性化に向けた具体的な提案が飛び出した。これにより、行政と市民、地域との連携強化が模索されている。地域の特産品や資源を活かし、訪れる人々に喜んでもらえる施策を巡らせることが求められている。今後も各議題に真摯に向き合い、反映していく姿勢が強調された。