令和5年度6月の通常会議において、北上市における教育と福祉の課題について議論が交わされた。
小原享子議員は不登校対策に関し、「誰一人取り残されない学びの保障が重要であり、特に保護者への支援策が求められる」と訴えた。
強調するのは不登校の児童生徒への多様な学びの場の確保である。保護者同士の情報共有手段として、SNSの活用が考えられている。また、心や体調の変化を早期に発見するため、ICTを活用し、毎日の健康観察を推進する提案がなされた。
加えて、学校給食費の無償化についても議論が展開された。小原議員は、「経済的負担を軽減するため、学校給食費が無償化されるべき」と述べ、未払いの状況についても触れた。教育長の平野憲氏は、未払い者についての現状を報告するとともに、学校給食法に含まれる規則から無償化に関する難しさを説明した。
熊谷浩紀議員はワクチン接種について、特に帯状疱疹ワクチンの助成について質問を投げかけた。全国でワクチン接種の助成が広がる中、北上市ではどうかとの問いに、市は助成に向けた動向を注視する姿勢を見せた。さらに、男性へのHPVワクチン接種の必要性も指摘され、教育現場での周知・啓発が求められた。
視覚障害者や外国人への配慮についても重要な視点が挙げられ、ユニボイスなど音声コードの導入を進める意義が議論された。福祉部長は、今後の取り組みとして「必要な情報を提供できるよう、市民と共に考えていく」と決意を新たにした。
市長の八重樫浩文氏は、「教育と福祉の向上は市の施策の根幹であり、今後も市民の声を大切にしながら対応していく」と述べ、前向きな姿勢を示した。これらの議論を受け、北上市は今後、より包括的な施策を進める考えを強調した。