北上市の令和5年度通常会議が9月12日に開催された。議題には国民健康保険税の納付回数拡大や、統合北上中学校の水害対策、奨学金返還支援など、多岐にわたるテーマが取り上げられた。
中でも、国民健康保険税の納付回数について、高橋晃大議員(北政会)が質問を行った。高橋議員は他の自治体が国民健康保険税を従来の8回から10回に増やす傾向が強まっていることを指摘し、「北上市もこの流れにどう対処するのか」と問いかけた。市長の八重樫浩文氏は、システム改修による財政負担や職員の業務量の増加を理由に、納付回数の変更は難しい現状を説明した。
続いて、安徳壽美子議員(日本共産党北上市議団)が統合北上中学校の水害対策について質問。床高の設計見直しや浸水想定区域の更新などが求められる中、教育長の平野憲君は、浸水深1.2メートルの現在の設計方針を強調したが、安徳議員は、最近の豪雨における被害を挙げ、「災害時の逃げ場として施設を守る姿勢が必要だ」と訴えた。
次に、小原享子議員は、奨学金返還支援制度について質問。地元定住のための減免制度の効果について触れ、特に奨学金の返還が若者の定着にどう影響しているのかを問うた。市官は、今年21名が利用し、定住効果が見込まれるとしつつ、地元企業の認定拡大に期待を示した。具体的な周知策も含めて検討を進める意向が述べられた。
また、障害のある方の投票支援についても数名の議員から発言があり、選挙管理委員長の菊池和俊氏は、「スロープ設置や筆談など、従事者による適切な対応を心掛けている」と述べ、市内在住外国人の権利も同様に積極的に支援していく施策が提案された。
会議は多様なテーマを取り上げ、市民の生活の質向上に向けた熱心な意見が交わされた。さらなる連携と施策の展開が期待される今後の動向に注目したい。