令和4年12月8日、北上市で行われた通常会議において、介護保険制度の充実や特別養護老人ホームの待機者問題に関する議論が行われた。市民や利用者の意見を反映させるべく、各議員から具体的な提案が相次いだ。
安徳壽美子議員(日本共産党)は、厚生労働省が進める介護保険制度改定について強く反対する意見を表明した。特に、対象者の負担が増えることにより、経済的困難を抱える世帯にさらなる影響が出ると懸念を示した。安徳議員は、「現在の国の動向はまさに介護保険の破綻を招く危険がある」と指摘した。
特別養護老人ホームに関しては、入所を希望する35名の待機者の状況が報告され、入所の見通しや緊急性が強調された。議会内では市が介護人材の確保や処遇改善に向けた取り組みについての議論も交わされ、介護職員の不足が引き起こす課題についても言及された。
補聴器に関する提案も取り上げられた。特に、認知症予防の観点から補聴器使用の重要性が再認識され、助成制度の導入を求める声が上がった。安徳議員は、「補聴器の購入助成につながる制度をぜひ市でも検討すべきだ」と訴えた。さらに、聴力検査を定期的に実施することの重要性も指摘され、議員からは早期発見のための施策を求める声が出た。
また、安徳議員は、中学校における就学援助制度改善についても発言し、必要な支援が確実に届くようにするための制度改革が必要であると強調した。学校給食費の無償化や地元食材の使用促進についても市の取り組みの強化が求められ、参加した議員らは一体となって市の政策への改善を図る必要性を共有した。
全体を通じて、介護保険や教育支援に関する議論は、市民の生活や権利を守るために必要不可欠であるとの共通理解のもと進められた。議会では引き続き、具体的な施策の提案や実施を視野に入れた議論が期待される。