令和5年度北上市議会通常会議では、複数の議員が市政に関する重要な一般質問を行った。
最初に鈴木健二郎氏(日本共産党北上市議団)が財政と地域経済再生について言及した。彼は、日本の物価上昇と賃金の実質的減少を指摘し、特に公定価格の低さが福祉関係の従事者に対して不利益をもたらしていると主張した。彼は「賃金引上げが地域経済の再生と人員不足解消の手だてとして求められている」と強調し、市の会計年度任用職員の賃金引上げを求めた。
八重樫浩文市長は、賃金引上げには取り組む意向を示し、県職員の取扱いに準じて給与を決定していることを説明した。市は、給与支給に関する条例改正案を提示しており、県の改定に応じて会計年度任用職員の期末手当支給率を引き上げる計画だと述べた。
続いて、藤田民生氏(北政会)が圃場整備事業とその現状について質疑した。彼は、農業の担い手不足や耕作放棄地の増加が危惧される中、地域計画策定の進捗と今後のスケジュールについて尋ねた。市長は、農業の担い手育成に向けた支援を強調し、農業委員会とも連携して取り組んでいることを説明した。
藤原常雄氏(新清会)は、スポーツ施設と小中学校のトイレ整備について発言し、高齢者や児童の健康状態が向上するトイレの洋式化の重要性を訴えた。教育長は、小中学校の洋式トイレ化状況を報告し、洋式トイレの割合が大幅に増加したことを強調した。
小原敏道氏(北新ネット)は、家庭ごみの課題に焦点を当て、不適正排出の状況や資源ごみの分別教育必要性を訴えた。生活環境部長は、専任指導員の活動状況と効果について報告し、地域への教育指導を強化する意向を示した。
さらに、佐々木護氏(北上まほろばクラブ)が持続可能な地域づくりについて質問し、地域づくり組織と市の協働の重要性を強調した。市長は、コミュニケーションの強化を図り、地域のニーズに合った支援体制の充実を目指すと述べた。
今回の会議で示された各種施策や意見は、北上市の今後の政策形成の一助となることが期待される。特に賃金や地域経済の問題は、首長として最優先で取り組むべき課題であると再確認されたことは注目に値する。