令和3年度8月臨時会議が北上市で開催され、重要な議題が提起された。
本会議では、東京電力株式会社による原子力発電所事故に関する損害賠償事件の和解や、北上市一般会計の補正予算について取り扱われた。
議長の八重樫七郎氏は、会議の冒頭で出席議員数が26名であることを確認し、定足数が満たされていることを報告した。
まず、日程第1では会議録署名議員の指名が行われ、佐藤惠子議員と藤本金樹議員が選任された。その後、議会運営委員長の高橋孝二氏が、会議期間的には1日間とすることで報告。議場には賛成の声が上がり、会議期間の決定が認められた。
次に、報告第9号の東京電力株式会社原子力発電所事故に関する和解についての説明があった。企画部長の及川勝裕氏は、損害賠償請求が約9%の割合で和解案として、東京電力ホールディングスから当市に支払われる内容であることを強調した。
今回の和解案は、40万6,513円に対し3万7,904円の支払いとなり、この金額に対して25番鈴木健二郎議員が懸念を表明した。
鈴木議員は、「原発事故による損害賠償について、賠償は東京電力が全面的に行うべきだ」とし、賠償金の低い割合についての説明を求めた。これに対し、生活環境部長の高橋景子氏は、過去の請求書に基づく過程や今後の対応について詳しく答えた。
彼女は、測定経費や除染経費が和解対象外になった理由として、過去数年の放射線量の安定と風評被害の少なさを挙げた。
さらに、議案28号の令和3年度北上市一般会計補正予算についても質疑が展開された。企画部長の及川氏は、補正の目的が新型コロナウイルス感染症対策や地域支援であることを明らかにした。総額422億7,529万4,000円を見込んだ中で、特定経費に1億6,006万円を追加すると説明。
質疑においては、支援金の対象業種についても議論が集中。議員らは、「飲食店だけでなく、他業種への支援が求められている」と指摘し、業種ごとの支援の公平性について問いかけた。市長の高橋敏彦氏は、声を上げることが重要であり、団体としてまとまっての要望が施策に結びつくとコメントした。
最終的に、議案第28号は原案の通り可決され、会議は無事に閉会を迎えた。議題はいずれも地域の重要な施策に関わるものであり、今後の展開に注目が集まる。