川西市の中学校給食センター整備・運営プロジェクトが進展している。
令和2年6月4日に開催された厚生文教常任委員協議会で、事業者選定結果が発表された。プロジェクトは川西市の中学校に給食を提供するためのもので、入札には2社が参加した。市はこのプロジェクトにおけるパートナーとして、代表企業日本国民食株式会社を選定したことを発表した。
教育推進部長の大西ゆかり氏によると、今回の選定では予定価格が約59億6,301万円とされ、参加した2社は99%内で入札を行った。具体的には、提案受付番号第23号が約56億4,864万円で落札され、第36号が約58億5,615万円であった。最終的に第36号が合格点を獲得し、その提案が優れていると評価された。
選定委員会は、提案内容を基にさまざまな審査を行った。評価方法は加点方式で、定性的評価は700点、定量的評価は300点の合計1,000点満点であった。この結果、日本国民食株式会社の提案は686.89点となり、高い評価を受けた。特に「食育ステーション」としての機能や、川西市の安全・安心な食を提供する理念が高く評価された。
しかしながら、連続する議員たちからの質問によると、十分なリスク管理や維持管理計画に対する評価はそれほど高くなく、選定プロセスにおける透明性や情報公開が求められている。また、コロナ禍での影響や地域経済への影響についても懸念が示された。黒田美智委員は、「工期の延長やリスク分担が明確にできていないのは不安だ」と述べ、改めて市としての責任ある対応を要望した。
協議では、給食の質やアレルギー対応に加えて、地域の農産物利用拡大や、民間と公立の留守家庭児童育成クラブとの連携も求められた。市の持続可能な施策として、関係者との協議の場や情報公開の場の確保が求められている。今後の契約議案は9月の議会に提出される予定。市民にとっては、この給食センターが地域の食育にどのように寄与していくか、大いに期待されている。
市は今後、事業者とともに、提案した内容の具体化に取り組む意向を示している。市民への説明責任を果たしながら、安心・安全な学校給食を提供するための取り組みが進められることが期待されている。