令和元年12月の川西市議会において、北部医療対策を中心とした市立総合医療センター構想が議論された。特に、来年9月に開設が予定されるキセラ川西センターとの連携による北部診療所の整備が注目されている。この診療所は、内科や整形外科、小児科など、住民からの要望を反映させた診療科をそろえる方針だ。具体的には、基本構想に基づく基本計画が現在策定中で、多様なニーズに対応する医療機関としての役割が期待されている。地域の意見を取り入れるための協議も進められており、特に耳鼻咽喉科と皮膚科への要望が多い。また、地域コミュニティと協力して介護施設などの誘致も検討されており、医療と福祉を融合させた包括的なサポートの仕組み作りが重要視されている。
本議会では、ピロリ菌検査による胃がん対策も話題に上った。胃がんは日本人に多くみられるがんの一つで、ピロリ菌感染がその主な原因とされる。ピロリ菌感染者への早期検査と除菌治療が重要であり、特にこの感染は幼少期に行われることが多いとされる。川西市では、中学生を対象としたピロリ菌検査の実施を検討しており、その意義と効果を医師会と共に協議している段階にある。明確な実施方針はまだ整っていないが、開始への期待感が高まっている。
さらに、市立総合医療センターの設置に関して、地域包括ケアシステムの推進のため、医療・福祉ゾーンの有効活用が図られる。この医療福祉ゾーンには、災害時でも地域が支え合えるような体制を築くため、訪問看護ステーションや介護施設の整備が計画されている。地域住民とのより良い関係を築きながら、医療と福祉の両面での充実を図る必要があるとされる。