令和元年12月25日に開催された川西市議会の議員協議会では、川西市財政健全化条例の策定方針について議論が行われた。
市長越田謙治郎氏は冒頭の挨拶で、この協議会に集まった議員に感謝の意を表し、条例策定の重要性を強調した。続いて、総合政策部長松木茂弘氏が条例の目的と内容を詳説した。条例の目的は、人口減少社会における持続可能な財政運営を実現するための基本原則を定めることにある。条例の骨子案は、令和5月10日に行財政改革審議会からの答申を受けたもので、資料として配布された。
条例は、三つの基本理念に基づいて構成される。第一は計画的な財政運営で、中長期的な視野に立った計画の必要性を訴えた。具体的には、財政収支の見通しを基にした運営が求められ、公共施設の整備も将来の運営コストを考慮すべきとされる。
第二の理念は規律ある財政運営である。将来世代に過度の負担を残さないため、財政基金の積立てや市債の発行について透明性を持たせる必要性が指摘された。この点について、議員の久保義孝氏は、年度ごとの目標値達成についての確認を求めた。企画財政課長今岡忠氏は、この条例が長期的な運営計画を市に義務づけることになると答弁した。
第三の理念は透明な財政運営であり、市民への情報発信を強化する方針が示された。具体的には、財政に関する情報を積極的に公開し、住民への説明責任を果たすことが求められている。この点を受けて、議員からは情報公開の具体的な手法についても質疑が行われ、わかりやすさの確保が重要視された。
議論はさらに続き、議員の岡留美氏は、条例化の背景についての確認を行い、財政の健全性を保つためには目標値設定や予算編成が不可欠であると強調した。特に、実質公債費比率や基金確保比率に関する基準設定が、今後の市の財政運営に対して重要な意味を持つことが参加者の間で合意された。
協議会では、さらに具体的な情報提供や補助金、受益者負担の見直しの方向性についても意見が出され、市民とのコミュニケーションを重要視する方向が確認された。議長の秋田修一氏は、財政健全化を通じて市の持続可能な発展が促進されることを期待すると言明し、会議を締めくくった。
現在、市はこの条例案を令和3月定例議会に提出し、さらに審議を経て制定する見込みとなっている。地域の未来を見据えた、川西市の財政の健全性と透明性向上に向けた取り組みが着実に進められることが期待される。