令和5年3月の川西市定例会では、越田謙治郎市長が施政方針を呈示し、市政運営の基本姿勢として"市民とともに歩む"を強調した。
市長は、市民の多様なニーズに応えるための施策づくりには、市民との協働が不可欠であると述べた。特に、新型コロナウイルス対策では、職員と市民が一体となって取り組む姿勢を評価したいとし、そうした協力の中で社会課題への対応を進めていく考えを示した。市長は、「市民の苦しみや不安に寄り添って行動することが市政運営の理念」とし、市民からの意見を取り入れた施策の浸透に努めたいとした。
さらに、ゼロカーボンシティの取り組みについても言及した。越田市長は、2050年までの二酸化炭素の実質排出量ゼロの達成に向け、市の施策の重点を環境負荷の低減に据え、官民連携による解決を目指す方針であることを明らかにした。「市民とともに進めるゼロカーボンの取り組みは、一自治体単独では実現するのが難しい」とし、地域全体で取り組む必要性を訴えた。
また、教育大綱の策定計画についても言及し、市長部局への組織改編の趣旨を説明した。市長は「子ども未来部を市長部局に移行することで、福祉や健康部門との連携を強化し、より一層の施策推進を図る」と語った。教育委員会との統合には一定の課題も指摘されるが、相互に連携を保ちながら施策を進めていく必要性を強調した。
さらに、川西市立総合医療センターの統廃合に関する懸念も示された。病床数が減少した結果、不応需率が上昇するのではとの声も上がり、地域住民の医療確保のためにも、引き続き市役所が地域の医療機関としっかりと連携していく必要があると述べた。市長は「医療体制の強化には、今後の地域医療連携が鍵である」とも示唆した。
公共交通の現状に関しては、交通量の増加に対して市民の移動を如何に確保していくかが重要な課題であると市長が語った。特に北部地域では、公共交通の存続が重要であるが、人口減少に伴い厳しい状況が続いており、地域住民とともに未来を見据えた公共交通の確保の重要性を再認識する必要があるということを市長は強調した。