川西市における文化芸術事業、特に川西おもろ能に関する議論が進んでいる。おもろ能は国指定重要無形文化財保持者金春欣三氏による演能が行われ、石舞台であるおもろ座での上演が特徴である。これまでの歴史を経て多くの市民に愛されてきたが、最近では次世代への継承が難しくなっているとの声が聞かれる。このまま事業が終了すれば、せっかく育ててきた文化的資源が失われるという懸念が示されている。
先日開かれた会議で、金春欣三氏は川西おもろ能の意義を「世界的に著名な彫刻家、流政之氏の作品と、一流の芸術を身近で感じられる機会」と述べ、地域におけるその重要性を強調した。また、流氏もおもろ能は「人々の心の受け皿」としての役割があると語っており、この事業がただのイベントではなく、継続的に支えていくべき文化的な遺産であることを示している。
市民環境部長の岡本匠氏は、川西おもろ能に対する市の評価について、「貴重な催しであり、地域に文化を根付かせてきた」との認識を示した。しかし、実行委員会の解散が決まり、今後の方針が不透明な状況であるとし、「地域資源を大切に育てていく必要がある」と意気込みを見せた。
議員の久保義孝氏は、川西おもろ能の開催がこの30年にわたり多くの価値をもたらしてきたことを踏まえ続けていく必要性を訴え、地域コミュニティや行政が協力して支えていくべきとの意見を持ち続ける重要性を強調した。おもろ能を単なる地域のイベントとは捉えず、川西全体の文化的価値を見直し、皆で育てていくべきだとの考えが示された。
川西おもろ能はただ単に行うものではなく、文化を育む活動として市民が心を寄せて支える事業である。今後も市民が一体となり、この文化を守り育てていくことが求められている。