令和2年12月4日、相馬市議会において重要な議題が取り上げられた。特に注目されたのは、地域住民の安心・安全に直結する梅川の整備と新田排水機場の機能改善に関する質問であった。
初めに、梅川の整備について、畑中昌子議員が言及した。梅川は多くの災害の影響を受けており、流域人口は約3,000人に及ぶ。この川の整備は単なる景観向上に留まらず、治水の観点からも重要である。「流れを守るためには、定期的な草刈りや管理が必要」と指摘した。
これに対し、市長の立谷秀清氏は「管理は県の責任ですが、市も環境美化のために必要があると考え、国や県に強く要望していく」と述べた。また、梅川の整備計画は進行しており、令和3年度内に一定の整備を見込むことが伝えられた。
次に、畑中議員は新田排水機場の現況に触れ、「昨年の豪雨により機械が故障して冠水する被害があったが、今後は機械の改善が進む」と頼もしい見通しを示した。産業部長の伊東充幸氏は「これまで行ってきた改修により、排水機の機能は問題ない」としつつ、さらなるポンプの増設計画も紹介した。
さらに、磯部地区の振興策についても議論が交わされた。浦島勇一議員は、「太陽光発電事業の賃貸料が地元振興に資するべき」と強調し、市長はその資金が地元に還元されるよう指導していく方針を示した。
さて、新型コロナウイルス感染症は地域社会に多大な影響を与えたことを受けて、各議員からは新しい生活様式に向けた施策の必要性も強調された。高橋利宗議員は「デジタル化の推進が、今後の行政手続において重要である」と提案し、議会内でもデジタル化が業務効率や住民サービス向上に寄与するとの認識が共有された。
最後に相馬市のキャリア教育に関して、門馬優子議員は、職業的自立を促すための施策を求めた。教育長の福地憲司氏は、「キャリア教育は、地域との連携を深めながら実施する」との見解を示し、具体的な体験学習の実施へ意欲を見せた。