相馬市は、令和3年11月30日に開かれた定例会で市長の政治姿勢について重要な議論が交わされた。
主な焦点は、多選についての立谷秀清市長の見解である。市長は、「地方自治体の長の多選については様々な意見がある」と考えを述べた。多選がもたらす弊害は、権力の長期化による行政の硬直化や人事停滞とされるが、一方で「豊富な経験がスムーズな行政運営を促進する場合もある」と主張した。議員の中でも根岸利宗氏が「明確に多選の是非を述べてほしい」と訴え、市長の立候補の意向が問われた。
次に取り上げられたのは、ジェンダー平等についての市長の発言に関する問題だ。根岸氏は、発言が不適切だったとの指摘がある中、その影響について反論した。市長は、「低賃金の男性の婚姻率の低下についての発言で、女性の賃金の低さに関する見解ではない」と強調した。しかし、根岸氏は「誤解を受ける発言であった」と再度質し、厳しい意見を述べた。
急傾斜地対策については、土砂災害の危険性をふまえた質問が相次いだ。佐藤栄喜総務部長が、県から指定されている土砂災害警戒区域について言及し、「98箇所が指定され、大雨時には早期の避難情報を発令すると」語った。また、残土投棄等の問題については、現在特段の報告はないとの見解が示された。
高齢者支援に関しては、コロナ禍において高齢者の社会的孤立が進む中、見守り活動を強化する必要性が指摘された。新たな取り組みとして、電話による安否確認を行うことや、地域のボランティア活動の促進が求めらていることが報告された。さらに、緊急通報システムの導入状況や見守り活動の現状についても議論が行われた。
全体を通じて、相馬市の議員たちは市政における重要課題に対して積極的な質問を投げかけ、慎重な答弁がなされ、市民の安全や福祉に対する真剣な取り組みが伝わった。市長の説明や議員の意見は、今後の政策課題に大きな影響を与えることが期待されている。