令和3年9月2日、相馬市議事堂にて、定例会が行われた。冒頭、議長の菊地清次氏が、市民の意見を反映しつつ、各議題に取り組む重要性を強調した。
会議では、相馬の歴史・文化の価値について議論が交わされた。立谷市長は、相馬中村藩の存在意義や、相馬野馬追や御仕法といった文化の重要性を再確認した。その中では、先人たちが築いてきた価値を引き継ぎ、相馬の精神的な基盤を築くことが重要であると述べた。
また、史跡中村城跡の保存管理計画についても進捗状況が報告された。生涯学習部長の赤石澤珍夫氏によると、短期計画において、石垣復旧作業や環境整備が行われている中、追加調査も進められているという。しかし、全体的な進捗は、専門家の指導などにより遅れが見受けられるとのことだ。
さらに、国指定史跡に向けた体制強化についても話し合われた。立谷市長は、史跡の価値が高まり、事業の進行にも影響を及ぼす可能性があると指摘した。また、玉野地区で計画中の大規模メガソーラー発電施設に関連して、土砂災害等のリスクへの対策を講じる重要性も強調された。
出産に関する支援策についても議論され、相馬市内での産婦人科医不足による出産困難問題が、深刻な懸念事項として浮上した。市長は、南相馬市の病院への誘導策を模索し、当面の対策として医師の獲得に努める意向を示した。
新型コロナウイルス感染症への対応においては、市長は入院治療を原則とし、体制の整備を進める考えを示した。特に、自宅療養者のフォローアップや医療機関との連携強化が求められた。
また、教育部長は、生理用品の無償配布についても言及。同市では小中学校において、必要に応じて配布が行われ、今後も継続的な支援が必要であるとの認識を示した。
議会では、市民の声をどう反映させるかの取り組みが強調された。特に、相馬市民にとって不可欠な歴史や文化の継承と、安心して子供を育てられる環境整備の重要性が議論された。市民の生活に密接に関わる政策を進める中で、各議員の協力と意見を基にしながら、より良い相馬市の未来を築くことが課題とされている。