令和5年第4回国見町議会定例会が7月7日に開かれ、多くの議員からさまざまな質問が寄せられた。
最初に、8番の山崎健吉議員は、保育料の完全無償化について質問を行った。現在の制度では、0歳から2歳の非課税世帯および3歳から5歳の幼稚園児が対象となっているが、全世帯への無償化は未実施として、条件を付けずに全ての世帯への支援が必要と強調した。この件に対して、教育長の菊地弘美氏は、制度の見直しについて今後の重要な課題であるとの認識を示した。
また、町の人口動態に関する質疑も行われた。山崎議員は、人口減少の進行とその背景について質問し、企画調整課長の大勝宏二氏が、令和5年度の人口減少数が227人に達し、転出者が249人であることなどを挙げ、現状を説明した。今後の対策として、移住促進を含む地域活性化策が求められている。
高規格救急車についての質問も多くみられた。議員からは購買方法や仕様書の透明性についての疑念が示された。企画調整課長の大勝氏は、高規格救急車は既製品を用い、機能強化のための仕様であると説明したが、本事業の透明性や信頼性に対する町民の疑念は根強いと見られる。
さらに、くにみ学園構想に関する質疑が続いた。議員の指摘では、計画の進捗や町民とのコミュニケーションが不足しているとの意見が出て、町長は今後、保護者の意見を重視し、ゼロベースからの議論を始める考えを示した。この点について、町の説明が十分でなかったことへの反省も見られた。
今後は、これらの問題を解決するため、議会と町民との対話・協力、施策の透明性の向上が求められそうだ。特に、税金を投入している以上、町民全体への説明責任を果たすことが5年間の信頼回復への第一歩とされている。