令和5年4月の臨時会では、主に北九州市の物価高騰対策についての議案が審議された。
今議会では、令和5年度北九州市一般会計補正暫定予算の概要が紹介された。この補正予算は、約48億7,500万円の規模であり、低所得者支援を網羅している。特に、住民税非課税世帯及び家計が急変した家庭に対して、1世帯当たり3万円の給付が見込まれている。この背景には、国の物価高騰対策の一環として、各自治体に交付される重点支援金がある。市長の武内和久氏は、制約された財源の中で、この支給を迅速に進めていく意向を示した。
市議会では、議員たちからこの支援制度の必要性や効果についてさまざまな意見が出された。特に、生活困窮者への支援が非課税世帯に限定されていることへの疑問が呈された。議員の中には、「真に困っている世帯は非課税世帯だけではない」と指摘し、支援対象を広げるべきとの声もあった。民主党系の西田一議員は、物価高騰がすべての市民に影響を与えている中で、多くの市民が支援の対象とならないのは問題であると強調した。
この結果、議会では支援対象をどう拡大していくかという課題が浮き彫りになり、特に子育て世帯への重要性が再認識された。会議では、生活保護世帯にも給付金が支給されるため、その扱いについての説明が求められた。生活保護世帯については、給付金が収入と見なされないことが確認されたが、もともとの支援目的を維持しつつさらなる支援の必要性が市長に訴えられた。
福岡市が先行して類似の施策を展開していることも念頭に置き、市長は今後の検討を進める意向を示している。物価高騰に直面する市民と事業者に向けた施策は、北九州市長として新たな道を見つけ出す上でも大きな挑戦となる。市長はこの局面において、今後さらに効果的な支援が必要であるとの認識を示した。