令和4年12月15日に開催された北九州市議会定例会では、34件の議案が一括採決され、23件が原案通り可決された。
議案の中で特に注目を集めたのは、北九州市職員に関する条例等の改正である。まず、議案第128号について、田中 元議員(総務財政委員会委員長)は、「民間初任給との賃金格差」が存在することを指摘し、改善が容易でない状況にあるとした。新たに、官民の給与格差に対する認識が必要だと強調した。また、会計年度任用職員への勤勉手当の支給についても、法規定の影響で難しい現状が続くが、国の動向に注視していく方針を示した。
さらに、物価高騰が続く中、議案第149号では、光熱費支援の必要性が訴えられた。田中議員は、電気やガス代が前年同時期の1.5倍に達し、30億円の補正額を計上して支援する重要性を述べた。この背景には、生活の厳しさが伺え、さらなる節電対策を推奨した。
また、議案第139号では、北九州市立もじ少年自然の家等の指定管理者の指定について反対意見もあった。大石 正信議員(日本共産党)の反対討論では、「公共の施設の管理運営に民間企業を選定すること自体が公立図書館に対して不安定な雇用条件を生む」との懸念が示された。専門家の登用を求める声も上がる中、指定管理者制度の問題点が浮き彫りになった。
議員提出の意見書も併せて可決され、マイナンバーカード取得の強制に対する撤回や、旧統一教会への関与を持たないことが確認される決議がなされた。特に、旧統一教会問題への取り組みが、今後の議論の中心となる可能性がある。この点では、篠原 議員が相談しにくくなる懸念を示したが、山内 議員は「市民にとって相談しやすい環境を整備する」と心強い発言をした。
本会議ではまた、全国的な物価高などが議題にあがり、支援制度の充実が求められた。特に市制60周年記念事業においても、地域の魅力向上に向けた取り組みが議論された。
議会全体を通じて、今日の経済的事情に適応した政策提案が必要であるとのコンセンサスが形成されている。