令和2年9月29日に開催された北九州市の定例会で、議案第149号が中心的に議論された。議案は、北九州市立総合体育館で発生した石綿粉じん暴露による損害賠償請求事件に関する控訴の提起についてである。
この議事において、市長の北橋健治氏が発言し、判決に基づく控訴の必要性を説明した。市長によると、令和2年9月16日に福岡地裁で下された判決は、体育館で勤務していた二見修夫氏の肺がん発症が、北九州市と受託会社の石綿対策の怠慢に起因するとし、2,580万円の賠償を求めるものであった。この裁判は、自治体における営造物責任を問う初の重要な案件であり、市も控訴すると述べた。
質問に立った日本共産党の田中光明議員は、判決で認定された石綿粉じんの飛散の事実、及び市の責任について問題提起を行った。田中氏は、「この判決は本市と受託会社に対する重大な責任を認めた」と強調し、亡くなった二見氏に哀悼の意を示した。市に対しては、遺族への謝罪と具体的な原因についての詳細な説明を求めた。
北橋市長は、亡くなったことについて哀悼の意を表しつつも、市の主張を述べ、控訴の必要性を訴えた。市は、この判決に異を唱え、新たな主張と証拠を持って控訴審に臨むとした。市の管理責任や、設備管理業務を受託した会社への指導の有無も議論され、具体的に「剥離や飛散が確認されていない」という主張が続けられた。
田中氏は、議論の中で「1990年から2005年にかけての体育館での劣化状況や、石綿含有率の特定について、明確な根拠を示せ」と強く問いただす。また、和解案が市に有利な提案であったことを指摘し、なぜそれを拒否したのかという点に焦点を当てた。市側は、国の基準に従った適切な処理を行っていたとの立場を貫き、敗訴した原因についての反省を示さなかった。
この議論は市民に関心が高い問題であり、最終的な判断を求める市民の声は大きい。次回の会議は9月30日午前10時から開催され、引き続きこの問題への関心が寄せられることが予想される。