令和2年9月11日、北九州市定例会が開かれ、議員たちによる一般質問が続いた。特に注目されたのは、新型コロナウイルス感染症対策に関する問題であり、木畑広宣議員は、自身の会派が要望したインフルエンザ予防接種支援事業に感謝を述べた。加えて、毎年冬にインフルエンザと新型コロナウイルスが同時流行した場合の医療現場のひっ迫を懸念し、予防接種の対象範囲の拡大を要望した。
木畑議員はまた、医療提供体制の確保についても言及した。特に、軽症患者を治療する専用病院の必要性を強調し、「患者の受入先の集約は、一般患者の治療の遅れを防ぐ」と述べた。これに対して市長の北橋健治氏は、基となる医療体制を強化するための具体策を進めていると答えたものの、実際の病院開設に関しては慎重な態度を示した。
さらに木畑議員は、コロナ禍における新たな社会活動の在り方についても質問した。特に、デジタル化が急務であることを指摘し、新たなIT技術を駆使した地域活動の必要性について提言した。市長は、デジタル化の進展が地域社会の活性化につながると同時に、自治体が直面する課題でもあると認めた。
一方で、認知症施策の推進についても議論が交わされた。これに対して、北橋市長は、認知症サポーター養成についての取組を強化し、地域における認知症施策の重要性を強調した。特に、コロナウイルス感染症の影響で外出機会が減少し、認知機能の低下が懸念される高齢者を見守る施策への注力を求められている。
午後の質疑が進む中、自治会の役割や地域コミュニティの再構築についても活発に意見が交わされ、加入率の低下に懸念を示した議員たちが役員の育成と負担軽減策を提案した。市はこの地域自治の活性化と、住民の取り組みを支援するため、具体的な施策の検討に入っている。
現在、北九州市は新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて、感染症対策に取り組む一方、地域住民の健康維持やコミュニティの維持に向けた施策を模索し続けている。これらの取組が市民に安心をもたらし、地域の活性化に寄与することが期待されている。