令和6年2月28日、北九州市の定例会で多くの議案が討議された。この中で、特に注目されたのは令和6年度予算案と平和のまちスタディツアーの廃止および福岡朝鮮学校への助成金削減に関する議論である。
この定例会では、令和6年度の北九州市一般会計予算が含まれる多くの議案が上程された。市長の武内和久氏は、予算案を"成長への再起動第2弾"と位置づけ、経済活性化を最優先の課題とする姿勢を示した。特に、社会保障関連費や人件費が増加する中、厳しい財政を鑑みた上での予算編成は注目される。具体的には、社会的な課題に対する包括的な政策を打ち出して、特に高齢者福祉、若者支援に力を入れると述べている。
一方、平和のまちスタディツアー事業については、一定の成果を上げたものの、スタディツアーが廃止されることが決定した。説明によると、平和のまちミュージアムの認知度向上は達成できたと判断されたためである。しかし、この廃止に対して教育現場からは批判が寄せられた。ミュージアムでの学びは、生徒にとって大切な経験であり、戦争や平和について自ら考える機会を与えてきたと指摘されている。
さらに、福岡朝鮮学校への助成金に関する議論も展開された。助成金削減の理由として、理由が政令市の平均に合わせるためであるとのことだった。しかし、これは歴史的背景や地域特性を考慮に入れることなく、平等性だけを重視したものであるため、多様性を尊重し、共生社会を実現する本市の理念に反するという意見があがった。地域の教育環境を支えるためには、今の支援を薄めることは慎むべきである。
また、若者たちの不安にも目を向ける必要がある。財政の記事が流れたことで、未来に対する不安が生まれ、実際に北九州市を離れる決断をする若者も現れていると伝えられており、これは深刻な課題である。
市長は、このような不安を解消するため、北九州市の強みを生かし、経済基盤の強化、ならびに地域の成長戦略を訴えた。市がVOICEDを持ち続け、将来の発展を見据えて積極的な取り組みを行う必要があると強調した。すべての議案が議会に付託され、論議の深化が求められる中、北九州市の未来に向けた施策の方向性が問われる重要な会議となった。
また、中学校卒業後の不登校支援として、次への一歩応援事業の重要性も再確認された。卒業後も支援が続けられるべきとの意見が強く示された。今後も、行政と教育機関が連携するための施策が求められ、実現には時間が必要である。