令和元年9月10日、東温市議会の定例会が開かれ、様々なテーマについて議論が行われた。
中でも特に注目を集めたのが、新たに計画されている舟券売り場の建設問題である。森眞一議員がこの問題に触れ、「舟券販売はギャンブルであり、市民全体に影響を与える問題」と強調した。さらに、地域住民の理解を得るためには透明性が欠かせないと訴えた。その上で、舟券売り場設置の提案が地域にどのようなメリットをもたらすのか、住民説明会での情報提供が不十分であるとの意見も出た。加藤厚志総務部長は、「事業者から具体的な話は現時点ではなく、説明会は事業者の判断によるもので、市としての関与は薄い」と述べた。
また、会計年度任用職員制度についても議論が繰り広げられた。安井浩二議員は、非正規職員の状況を踏まえ、労働条件の改善が急務であると訴えた。政府が制度改正を進めている中で、実際に働いている非正規職員の雇用保証などについても慎重に考えていく必要があるとの意見が挙がった。
保育問題に関しての質疑も行われ、近藤千枝美議員が、「待機児童問題や認可保育所の整備が遅れている」と指摘した。これは、地域の保育環境を整えるためには行政の責任が不可欠であるとの認識が共有された。
さらには、皿ヶ嶺の登山環境についても議論があり、安井浩二議員は、登山者のトイレ問題を提起した。トイレの設置や構造が登山者にとって快適な環境を提供するために重要であるとの意見が交わされた。
最後に、加藤章市長は、未来型コンパクトシティ構想に言及し、「商業施設や医療施設を集約した地域づくりが必要であり、大型施設の開発は民間主導で進めていく必要がある」との考えを示した。市の発展には民間の良好な開発が欠かせないという認識が強調され、議員間での意見交換が続くなか、今後の方向性が明確になったと言えるだろう。