令和6年3月18日、松山市議会は第1回定例会を開催した。
会議では、令和5年度松山市議会議員海外都市行政視察に関する報告が行われた。視察団団長の若江進議員が、アメリカのサクラメントやサンフランシスコ、カナダのバンクーバーを訪問したとの報告を行った。視察の主な目的は、友好親善の強化や都市計画に関する施策を学び、市政に反映することにあった。若江議員は、「今回の視察を通じて、姉妹都市との交流が、地域活性化や観光振興に寄与することを期待している」と述べた。
また、新年度の予算案についても審議が行われ、一般会計の予算案が原案どおり可決された。この中には、地方公営企業の財政基盤の強化や、松山観光の活性化を図るための施策が含まれ、約2,197億円の予算が計上された。その中でも特に議論を呼んだのが、坊っちゃん列車の運行支援についてである。この支援に対する市民の意見は分かれており、運行してほしいが税金を使うことには慎重な意見も多かった。議会内では、諸団体によるクラウドファンディングの実施など、新たな資金調達方法の模索も議題となった。
さらに、南海トラフ巨大地震に関する意見書の提出を求める請願が検討され、伊方原発事故に備えた防災計画の策定が必要であるとの意見が出された。議員たちは、災害に対する準備が不十分であるとの警鐘を鳴らし、今後の対策に向けた議論を呼びかけた。特に、事故後の避難計画や市民の安全確保についての具体的な議論が不足しているとの指摘があった。
全体的に議会は、新年度の取り組みと市民の安全を軸にした内容となり、重要な課題が浮き彫りになった。また、議会は市民とのより良い関係構築や意見聴取の重要性を再確認した。今後も地方自治体としての役割を果たし、透明性のある運営を目指すことが求められている。市長は、「市民のために、約束した内容を着実に実行する」との決意を新たにし、議会の結論を尊重しながら施策を進める意向を示した。