令和2年9月9日、東温市議会第6回定例会が開催され、議員から様々な一般質問が行われた。
まず、近藤千枝美議員(公明党)が市営住宅の入居要件について質問を発した。近藤議員は、連帯保証人の要件が高齢者などに心理的負担を与えていると指摘した。市営住宅の入居世帯数や独り暮らしの高齢者の割合について具体的な統計を求めた。また、連帯保証人の要件を撤廃する考えはないかと市側にお伺いした。
黒川博幸都市整備課長は、市営住宅の入居世帯数は279戸、その中で独り暮らしの高齢者世帯は90戸、生活保護世帯は24戸だと説明した。連帯保証人については、特別な事情がある場合は必要ないとしているが、現状の要件変更は考えていないと強調した。
次に議論されたのは地域交通の維持についてである。近藤議員は、公共交通が不十分である地域住民の移動手段を確保することが大きな課題であり、特に高齢者にとっては深刻な問題であると訴えた。渡部祐二産業建設部長が地域の現状を説明し、予約制の乗合タクシーやバス路線の運行状況について話し、さらなる改善の必要性を認識していると回答した。
続いて、摂食障害に関する近藤議員の質問も重要視された。摂食障害は若い世代に多く、特に女性に影響を与えるという現状を教育長の池川仁志氏が認識していると述べた。学校現場での取り組み事例を紹介し、カウンセリングの重要性を強調した。
さらに、教育現場における新型コロナウイルスの影響について、山内孝二議員の質問がなされた。教育長は、学校における心のケアや学習の遅れに対する取り組みが進められていると述べた。特に、生徒と教員の心の健康の重要性に言及し、心理的負担を軽減するための措置を講じていることを明かした。
最後に、行政のICT整備についても話題となった。市長の加藤章氏は、ICTを活用し市民へのサービスを向上させるため、デジタル化のマスタープランを策定する意向を示した。市民との対話をオンライン形式に移行する可能性についても考慮していることを述べた。
このように、平成29年に施行された民法改正や地域交通、摂食障害対策など、多岐にわたる議論がなされた東温市議会の定例会は、地域住民の生活向上に向けた課題解決に向けた重要な一歩となった。