令和元年9月11日に開催された東温市議会定例会では、複数の重要な議題が審議された。特に教育現場のICT活用や、不登校対策についての議論が多く見られた。
最初の一般質問では、山内孝二議員が教育要覧に基づく教職員の資質向上について問及した。具体的には、校務支援システムの導入について「文科省の教育の情報化ビジョンにおいて、2020年までに全ての学校にシステムを普及させる方針があるが、東温市では現在どのような進捗状態か」と答弁を求めた。これに対し、渡部祐二教育委員会事務局長は、本市は平成29年度に市内全小中学校に統合型校務支援システムを導入しており、教職員の業務効率化や教育の質向上に寄与していると述べたが、「具体的な業務削減の数値は確認できていない」と強調した。
また、不登校対策に関しても議論が行われ、池川仁志教育長は「不登校は複雑な要因が絡むため、連携した組織的な支援が必要である」と答えた。具体的な見解としては「個人のプライバシーを尊重しつつ、家庭への訪問を通じて状況把握に努める」と述べた。さらに、不登校児童生徒の人数やその背景に関する情報は定期的に把握されているが、今後も改善が求められている。
また、山内議員は自立した自治体経営についても質問し、特に「財政的に自立した経営がどのように実現されるのか」と問うと、加藤章市長は「自主財源を確保し、依存財源に頼らない運営を目指している」と応じた。市の戦略として「人口減少を止めるために、安定した雇用環境や移住・定住の施策を進める」とした。
さらに、LGBTに関する議論も挙がった。細川秀明議員がLGBTへの理解促進について問うと、田中聡司企画政策課長は「多様性を尊重するまちづくりを進めている」とし、具体策として「研修を通じ、市職員の意識を高める必要性」について述べた。
最後に、食品ロス削減に関連して、災害備蓄食の利活用に関しても発言があり、高市圭二危機管理課長は「更新期限が近づく備蓄食料を防災訓練などで使用する方針を強調し、家庭での消費を促すための考慮も必要」とした。全体として、教育、福祉、経済など様々な問題が同時に取り扱われ、総じて市政の多様な施策が検討される会議となった。