令和2年第8回東温市議会定例会は、12月9日に開催された。会議では、一般質問を通じて市民生活向上への方策が議論された。特に、市民サービスの向上と行政の効率化に焦点が当てられ、窓口サービスや市の財政についてが主な議題となった。
まず、山内孝二議員が市民向けの「おくやみワンストップ窓口」の設置について質問した。山内議員は、遺族が市役所で手続きをする際に直面する多くの煩雑さを指摘し、この窓口が必要であると強調した。同議員は、新型コロナウイルス対策の影響で、電子申請の必要性が高まっていることにも言及した。
これに対して、菅野美香市民課長は、電子申請の導入について現状では難しい考えを示したが、窓口サービス向上委員会での取り組みを称賛し、窓口対応の改善に努めていると応じた。さらに、死亡届の手続きに関する説明も行われ、年間約400件の死亡届に対処している現状が紹介された。その中で、対応の工夫としてチェックシートの活用や、予約制度による待機時間の短縮に努めていることが報告された。
次に、市の財政状況についても重要な質問がなされた。山内議員は、過去4年間の赤字立て続けの実績と、歳入の不安定さを指摘した。加藤章市長は、市の財政調整基金が減少し続けている事実を認め、早急な財政の改善に向けた対策を講じる必要があるとした。令和3年度予算編成に向けて、歳出の見直しを行い、特に社会保障費の増大に対応する計画があると述べた。
さらには、公共交通の便に関する質問もあり、渡部勇次議員が地域間の交通サービスについての意見を求めた。公共交通を利用する市民のニーズの高さを反映し、今後はタクシーを活用した新しい交通形態も検討する意向が示された。
一連の一般質問を通じて、市民サービスの改善と財政状況の見直しが求められ、議員、執行部は一丸となって地域の課題に取り組んでいることが明らかになった。市民のニーズに応じた柔軟な対応が今後の鍵であり、より良いまちづくりへと繋がることが見込まれる。