令和４年３月定例会において、松山市の新年度予算が発表された。今回の予算案は新型コロナウイルスの影響を受け、国の地方財政とも密接に関連し、雇用維持や地域経済の支援を目的とした内容となっている。特に、雇用調整助成金の上限額引き上げに伴う補正予算も組まれ、松山市独自の支援が行われる方向だ。
松山市の野志克仁市長は、一般会計の補正予算を含む令和４年度予算案について、「新型コロナウイルス感染症の影響により、企業が従業員の雇用を維持するための支援が必要である」と述べ、追加で1,578万3,000円の経費を計上した。これにより、雇用調整助成金を受給する企業の負担を軽減し、中小企業の経営を支える狙いがある。
また、松山市国民健康保険条例の一部改正についても言及された。これにより、国の政令に合わせて保険料が引き上げられることとなり、財政支出は一層増加する見込みだ。総じて、歳出が増加する一方で市税収入の回復が期待されており、これらの厳しい財政状況に松山市はどう立ち向かうかが今後の課題と言える。
そして、議案第２号から第43号に対する質疑や代表質問も行われ、多くの議員から意見が寄せられた。特に、地方創生や新型コロナウイルス対策といった広いテーマに関する質疑が目立ち、市民の関心を集める形となった。議論では市内各業種への経済支援や雇用維持策、教育施策が焦点に上がり、具体的な施策の推進が求められた。「地域経済の活性化が急務です。市長のリーダーシップが必要です」と発言したのは、渡部克彦議員であった。
各議員から意見が述べられる中、具体的な施策の実行については意見が分かれた。特に、プレミアム付商品券や雇用支援事業等、国の施策とも関連する具体例が挙げられ、住民の生活支援だけでなく、経済の復興を図るべく迅速な実施が求められる場面が多かった。
最後に、松山市がこれからの経済情勢において、地域経済活性化にどのように取り組むのか、また持続可能な施策を通じて財政の健全化を図ることが議題として残された。その中で、雇用維持や地域共生社会を進める施策、特に女性や高齢者の生活を支える取り組みが特に重要であるとの認識が強まった。これらの施策をきっかけとして、松山市が抱える様々な課題を解決し、地域の未来を見据えた政策が期待される。