令和5年9月の八千代市議会での一般質問が行われた。議会では市民の期待を受けた市長の公約に対する厳しい評価が示された。
最初に、会派市民クラブの嵐芳隆議員が登壇し、市長の公約について質問した。議員は、東葉高速鉄道の通学定期割引率の引上げに関する公約が未実現であることを挙げ、市民からの期待に応えられていないとの意見を述べた。さらに新型コロナの影響からの回復を踏まえ、その必要性が高まっていることを強調し、悪化する物価の中で子育て世帯の意見を伝えた。市長の服部友則氏は、通学定期の割引率引上げについて過去に何度も東葉高速鉄道株式会社に対し協議を進めていくと述べた。
次に、上高野原連合自治会館への投票所の設置問題が取り上げられた。嵐議員は村上東小学校が投票所になっているが、移転を希望する地域住民の要求を反映すべきだと主張した。これに対し、村田順儀選挙管理委員会事務局長は、バリアフリー対応の需要を考えると、投票所の変更が難しいと説明した。
加えて、高齢者の外出支援についても議論が行われ、円滑な交通手段を保障するために制度の見直しが急務であると意見が交わされた。風雨やデモなどの地域行事において外出を促進する必要性と支援制度の強化も訴えられた。
議会は、医療関連の問題にも焦点を当てた。八千代医療センターの内科の休診問題に対して市民からの強い要望があることに触れ、市が千葉県と連携して医師確保に取り組む姿勢が求められた。市は医師確保のために具体的な計画を進めていると説明した。
次に、教員不足についても苦慮している現状が明らかにされた。今年度も未配置教員が多数存在して訴えられる中、学校全体での意識改革や人材の確保が不可欠であるとの声が上がった。教育委員会は、地域団体や関係者との協力を強調、状況を改善する努力を続けていることを示した。
さらに、地域猫活動の拡充構想が取り上げられ、動物愛護の視点からも支援が必要とされている。地域猫助成金の増額や申請書類の負担軽減に関する質問もあり、その対応が求められた。
議会では、八千代市の公共交通体制についても早急な課題解決が指摘され、実証実験の適切な実施が求められた。市民にとって使いやすい交通環境を整備することは避けられない課題であるとされる。
本市の市民ニーズと行政施策の関係を考察し、現状を見極め、さらに先を見越した施策展開が求められている。特に、市民生活に影響を及ぼす問題については、施策の進行状況に市民がきちんと目を配る必要があるなどの課題がつきまとう中で、引き続き積極的な対話と参加が求められる。