令和3年6月14日、湯沢市議会の定例会が行われた。主な議題は新型コロナウイルス感染症対策や教育分野における施策、地域経済振興施策などである。市民の安全と健康を守るための取り組みが重要な議論の中心となった。
特に新型コロナウイルス感染症対策では、沓澤正雄氏が接種進捗状況について質問。市長の佐藤一夫氏は、高齢者への1回目のワクチン接種が約3万人に対して進められ、7月末の接種完了を見込んでいると答えた。市内経済に及ぼす影響についても、飲食業や宿泊業は依然として厳しい状況にあるが、製造業の中では業績を伸ばしている事業所もあると述べ、並行して市民支援策の強化が必要であると強調した。
稲川地域小学校の統合については、学校の廃校が地域の衰退を加速させる懸念が表明され、地域活動の拠点施設としての地区センター整備が求められた。また、少子化対策の強化も重要性が指摘され、特に不妊治療への助成制度の充実についての要望が上がった。
加えて、湯沢市の防災行政無線に関しても問い質され、高橋克己氏はその運用状況を寄せられた市民の反応を求めた。市は調整を進めるとともに、放送内容の明確化に努める意向を示した。また、FMゆーとぴあと連携した情報発信も強化する必要があるとの見解が示された。市として、その機能を向上させ、確実な情報伝達の強化を図っていく方針を打ち出した。
さらに、ゆざわジオパークの再認定の際に浮かび上がった課題に対しても言及され、地熱資源の観点から地域活性化策を一層強化することの重要性が後押しされた。市長は地熱発電所の計画や再生可能エネルギーの地産地消の観点から進めていく意向を見せ、今後の発展について期待を寄せた。
これら各論題を通じ、地方自治体に求められる施策の柔軟性と地域住民の声への対応が再確認される中で、湯沢市の未来に向けた明確な方向性が提示された。