令和3年6月14日に開催された瀬戸市議会において、視覚障害者の移動保障が重要な議題として取り上げられた。特に新井亜由美議員は、バリアフリー基本構想の進捗状況について市の見解を求めた。
新井議員は、2009年に策定されたバリアフリー基本構想が高齢化の急速な進行を受けて見直しが必要であると指摘した。今年度の高齢化率は29.8%まで上昇しており、予想を上回るペースで進んでいる。これに対し、都市整備部長の大森雅之氏は、市民が安心して生活できる環境整備を継続していく必要性を強調した。
また、新井議員は視覚障害者に対する公共交通のバリアフリー化について具体的な改善策を提案。駅構内の改札口やホーム等の移動経路の整備や、点字ブロックの連続性が欠如している現状を改善するための助言が必要であるとした。これに対し、都市計画課長の山村和宏氏は、今後の計画については関係団体と連携をしながら進めていく考えを示した。
新井議員はさらに、道路関連のバリアフリー事業において、具体的な進捗状況を確認しつつ、未定・非対応の路線についての今後の計画について質問。大森部長は、未整備の路線に関しても積極的に対応していく意向を述べた。
加えて特殊信号機の整備や交通安全関連の施策も重要なポイントとして挙げられた。見通しに難航している信号機の設置についても、必要性を認識し、関係機関に働きかけを行う意向が確認されている。
一般質問の後半では、新型コロナウイルスワクチン接種に関する議題が取り上げられた。健康福祉部長の中桐章裕氏は、接種体制の拡充に向けて新たに採用される医療機関との協力を進めており、ワクチン接種率向上のための取り組みについて説明した。特に65歳以上の高齢者に対して90%の接種体制を確保する見込みであると報告された。
また、新井議員は、国の指針に基づいた独自の優先接種についても提言。国の結果に合わせたスケジュールを見直す必要があるとし、特に教育や保育に従事するエッセンシャルワーカーへの配慮が求められている。市は、この点に関しても慎重に検討を進めるとしている。
このように、瀬戸市議会では多様な問題が協議されており、今後の方針についての具体的な意見交換が行われている。市民生活の安全と利便性向上を目指し、バリアフリー化と新型コロナウイルス対策の施策が進められることが期待されている。