令和3年12月3日に開かれた瀬戸市議会の定例会では、公共交通を支える重要な施策について議論された。この会議には多くの議員から質疑があり、特に都市計画道路の見直しや地域公共交通の現状について焦点が当てられた。
公立交通の充実は、住民の暮らしを支える大切な基盤であるとの認識が共有され、柴田利勝議員による「公共交通の整備には優先順位が必要」との質問があり、都市整備部長の大森雅之氏がその重要性を強調した。
柴田議員は、公共交通、特にコミュニティバスの課題に触れ、便数の不足が住民の移動を困難にしていると指摘した。具体的な事例として、ある地域の買い物に行く際の長い待ち時間が問題視され、公共交通の運行経費や運営収入を考慮した上での運行改善が求められた。これに対し、大森氏は、運行協議会を介して利用者のニーズを反映しつつ、地域特性に応じた改善を加えていく必要があると述べた。
加えて、地域の足を守るためには、さらなる充実が不可欠であるとの議論が展開された。原田学議員は、特に高齢化が進む中での買い物や通院を支えるために、コミュニティバスが地域ネットワークの構築に寄与することを提案した。市側は、生活を支える公共交通としての役割を果たすために、安定した運行を維持していく方針を示したが、効率性と便数の確保のバランスをどう取るかが今後の課題となる。
さらに、高島淳議員は、コミュニティスクールとの連携を通じた教育機会の充実が、地域との結びつきや郷土愛の醸成につながるとの意見を述べた。地域との関わりが薄れてきていることに対する危機感を共有し、より密な関係構築が求められた。学校教育の観点から教育部長が、地域の協力を得る重要性を強調した。
今後の政策において、地域の声を取り入れた交通網の整備が期待されるが、実際の施策としてどのような形で市民に還元されるかが注視される。特に、公共交通の維持と発展は、住民の生活の質を左右する重要な要素であり、行政としての責任は大きいとされる。議会の議論を経て、より実効性のある政策が推進されることが期待される。