令和2年9月4日に開催された瀬戸市議会では、現在の観光行政と新型コロナウイルス感染症への対応が議論された。
高島淳議員は、新型コロナ感染症に伴い観光客数が大幅に減少した現状と、3密を避けるための観光対策を質問した。地域振興部長の涌井康宣氏は、SNSを通じた広報活動や、少人数での観光を促進する"マイクロツーリズム"を提案し、観光タクシーツアーを40%助成する取り組みが好評だと述べた。これを受け、高島議員は観光客の反応について満足度が高いことを確認し、引き続き対応を求めた。
続いて、原田学議員は第8期介護保険事業計画における評価について質疑。同議員は、総合事業の短時間プランについて利用者評価の重要性を強調し、市の介護サービスにおける負担の是正を訴えた。健康福祉部長の中桐章裕氏は、利用者の状況を把握する必要性を認めたが、具体的な改善策は示されなかった。また、介護保険料については所得に応じた負担が直面する課題であることも指摘され、市の負担軽減策が求められた。
さらに、三宅聡議員の質問に対し、コロナ対策の支援施策についても意見が交わされた。特にひとり親家庭への支援として、市独自の施策や国の施策の効果が報告された。市民生活部長の藤井邦彦氏は、特別定額給付金の迅速な支給が効果的であったとしつつも、支援のさらなる充実を目指す姿勢を示した。
加えて、避難所運営に関する長江秀幸議員の質問も注目された。コロナ禍における避難所の運営方針として、三密を避けるために協定を結んだ地域の寺院を避難所として活用することの重要性が述べられた。危機管理監の森山修次氏は、避難所の環境整備や地区の連携による災害対策を強化する考えを示し、実行可能な運営方法についても議論された。
最後に、松原大介議員は、瀬戸市国際未来教育特区計画の進捗に対して厳しい指摘を行った。この特区計画が地域の活性化に資するためには、透明性のある進行管理が不可欠であることを訴えた。経営戦略部長の水野典雄氏は、事業者からの収支計画の確認作業を進める意向を述べた。
このように、瀬戸市議会では観光、介護、教育といった多角的なテーマに関し、様々な視点からの意見が交わされた。市民生活に影響を与える大きな課題に対し、今後も効果的な施策の推進が期待されている。