令和3年6月11日、瀬戸市の市議会にて重要な議題が提起され、多くの市民が注目する内容が議論された。
まず最初に、生活保護行政の「扶養照会」について、話が繰り広げられた。16番の浅井 寿美議員は、扶養照会が生活保護の申請をためらわせる要因となっていると指摘した。「扶養照会は止めるべきだ」と訴え、特に直近の生活扶助の保護世帯数と金銭的援助の効果について疑問を呈した。要約すれば、この制度は効果に見合わない負担を被保護者に強いているとの認識が伺えた。加えて、同意のない扶養照会の撤廃を求め、国に対しても強い姿勢で撤廃を進めるべきとの意見が形成された。
次に、在宅介護を支える紙おむつ等支給事業の復活が提言され、浅井議員は現在の高齢者在宅介護の状況を踏まえて、紙おむつ支給が持つ意義を強調した。「この事業は在宅介護支援の基本的な仕組みである」と力説し、地域包括ケアの観点からも、その重要性を訴えた。
さらに、災害時における避難行動要支援者の強化についても議論が交わされた。25番の長江 秀幸議員は、特に高齢者や障害者が避難する際の個別避難計画の重要性を述べた。ケーススタディとして大分県別府市の「インクルーシブ防災」事例を引き合いに出し、地域での具体的な支援策が求められている。
また、認知症高齢者の問題にも言及され、個人賠償責任保険事業の導入について、中川 昌也議員が提案した。この制度は、認知症患者が原因となる事故の際に、民間保険による補償を提供するもので、導入が進んでいる他自治体の実績を挙げ、瀬戸市でも展開すべきと訴えた。
最後に、本市のオリジナルの口腔ダンス「瀬戸の情熱」の役割として、高齢者の生きがいや社会参加を促進するための実施が取り上げられた。予防事業の一環として地域市民を積極的に巻き込むことで、地域全体での支援体制が必要とされている。「介護予防、重度化防止はもはや選択肢ではなく必須課題であり、全庁的な連携が不可欠である」と副市長も強調した。
このように、6月定例会では福祉施策が幅広く議論され、特に生活保護制度や高齢者支援の取り組みについて、強いメッセージが残る結果となった。今後の具体策の実行と実効性に期待が寄せられている。