令和5年度の日進市議会定例会において、近藤裕貴市長は施政方針を発表し、様々な施策や新たな取り組みが紹介された。
特に注目を集めたのは、高校生世代の通院費の無料化の検討に関する部分である。今後の具体的な実施方針については明言されていないものの、令和6年度を見据えて準備を進めているとのことだ。
また、体育館の空調設備については、他市との比較からも、その必要性が強調されている。その一方で、市長は現時点での設置計画がないと明言した。この点に対しては多くの意見が寄せられており、保護者や地域住民からの支援を受けてさらなる検討が求められている。
イクボス宣言により、育児休暇取得率が66.7%と大幅に増加したことは評価されるものの、育児中の実態調査が実施されていない点については懸念の声も上がった。これに関して市長は、制度の周知や育児環境の整備を進めると述べた。自らの育児参加に関する現状を报告するためのアンケートを実施する姿勢にはやや消極的だ。
ゼロカーボンシティの取り組みにも言及があった。市内の再生可能エネルギーや次世代自動車の普及を推進する方針が表明されたが、具体的な施策内容については依然として明確でなく、今後の動向が注目される。さらに、地域公共交通の充実については、デマンドタクシーや自動運転バスをはじめ、交通手段を組み合わせる「ベストミックス」の計画が進められるとした。
産業振興においては、新たな産業立地促進奨励金の導入が発表され、地域経済の振興が目指されている。市外から企業の誘致を進めるため、魅力的な制度を整えたという市長の説明があった。
最後に、市制30周年に向けた予算案について、施政方針は市民の日常を守ることを強調しつつも、市民一人一人の「たのしい」を大切にするビジョンが描かれた。その視点から、今年度の予算案は市民の生活向上に資する内容へとシフトされつつある。