令和2年3月2日、江南市議会の定例会において、複数の議題が討議された。中でも新図書館の運営と江南市の子ども読書活動についての報告が注目を集めた。
教育部長の菱田幹生氏は、江南市立図書館で実施されているブックスタート事業の参加率が約91.9%と高水準であることを述べた。この事業は、4か月児健診に参加する親子に対して、絵本の読み聞かせを行い、図書館への親しみを促すものである。また、保育園におけるビッグブックの充足率についても報告があり、保育園では273冊が所有され、借り貸しの実施も行われていることが説明された。
続いて、図書館の団体貸出しについての実績が発表され、今年度116団体が登録し、7,605冊が貸出されたことが明らかになった。特にアクティブな団体は42団体であり、地域の子供たちの読書への興味をさらに深める活動が期待される。
また、市内の小・中学校における朝の読書時間の実施状況についても触れられ、学力や心の育成を考慮した上で読書活動の重要性が強調された。児童からの取組の感触を得るために、学校で行われるさまざまなイベントや読書週間は活用され、子どもが本に触れる機会が増えつつある。
江南市における子供の貧困対策についても議論が行われた。健康福祉部長の栗本浩一氏は、子供の貧困対策法の改正に基づき、生活困窮者に対する支援が強化され、地方自治体がその中核を担うべきであるという認識を示した。
特に、子供の食事に関する問題についての話が挙がり、朝食欠食の問題が徐々に深刻化してきていることが共有された。江南市の現況について、朝食を毎日食べている小学生が約85%に減少したというデータを示し、今後の更なる対応が必要であると指摘した。市では健康的な生活習慣を促進するシステムの構築を支援する意向が示され、生活リズムの改善に対する指導も行う方針が伝えられた。
最後に、地域におけるコミュニティバスの導入についての請願が提出されたことが報告され、今後地域が主体となって考えられる公共交通手段の必要性についても言及された。このような取り組みは、高齢化が進む中で公共交通の活性化につながる可能性を秘めている。今後ますます、地域住民の声を基にした施策の展開が期待される。