令和2年12月2日、江南市議会の定例会が開かれ、一般質問が行われた。市民生活を脅かす新型コロナウイルスの影響を受けて、各議員は市の対応に関する質問や要望を次々と投げかけた。
特に、感染症対策に触れた議員は、新たに感染者が増加している現状を憂慮し、軽症者を収容するための施設設置を求める意見を表明した。市長は、これについて県の権限に関与する問題であるため、直接的な関与は難しいとの立場を示した。議員の多くは、感染を防ぐためのより強固な対策を求め、乳幼児でのワクチン接種助成を検討するよう求める声も上がった。
また、子供の貧困問題にも言及があり、特に保護者を対象とした支援策の充実が求められた。子ども食堂の普及についても話が及び、江南市の取り組みや今後の展望が割れる議論となった。子ども食堂を広めるためには、市や社会福祉協議会と連携していく必要があるとの意見も多かった。
中でも関心を集めていたのは、江南市が新たに設置を進めている布袋駅東複合公共施設の運営方針であった。特に、図書館の設計や運営についての市民への説明会が求められ、その場所の機能をどう活用していくかの意見が重要視された。
財政状況の厳しさから、市が行う事業の一部はスクラップされる見通しであり、市民サービスの維持と確保が危ぶまれている中、特に教育や福祉関連の事業が見直しの対象となることが懸念された。財源確保策についても、資源の適切な運用や近隣市町の事例を参照しつつ進めていく方針が示された。
最後に、自衛隊への名簿提供についても触れられた。提供義務はないものの、自衛隊等への協力を市としてどう考えるかが問われ、答弁では、他市の状況を踏まえつつ慎重に検討していく姿勢が示された。市全体の安全と市民の意向をいかに調和させるかがこれからの課題である。