令和5年12月11日の江南市議会定例会では、議案第79号の江南市自転車等駐車場の設置及び管理に関する条例の一部改正についての議論が行われた。特に、布袋駅周辺の駐輪場の廃止が市民の間で混乱を招いている。
この議案では、布袋駅周辺にある無料駐輪場を3か所廃止し、尾北高校南側の駐輪場1か所のみを残す方針が示された。これは民間の有料駐輪場の整備を背景にしたもので、名鉄の新しい駐輪場が12月22日に開業予定であることが影響している。しかし、周辺住民や通学する生徒には無料駐輪場の減少に対する懸念の声が多く寄せられている。
会議では、特に周辺道路の交通安全が問題視された。市民からは「自転車専用の駐輪場が減ることで、通学路の安全が脅かされるのではないか」との意見が多数寄せられた。実際に周辺を訪れた議員も、自転車と自動車の接触の危険性を指摘し、利用者の声をもっと反映すべきだとの主張が強調された。
また、議論の中では、江南市の市民参加条例が適用されないとの見解も示されたが、利用者の意見を尊重すべきとの意見も相次ぎ、広く市民からの意見を募る姿勢が求められる場面が多かった。市の担当者は、利用者への周知方法として看板やチラシを配布する意向を示したが、事実上の規模での変更に対しては、「市民生活に大きな影響を及ぼすものではない」との発言があり、真摯な議論が行われていない印象を受けた。
市民から寄せられた意見に対して行政側がどのように応え、次の施策に反映させていくかが今後の重要な課題であり、特に無料駐輪場の必要性については様々な見解があるため、今後も注視が必要である。論点として、駐輪場の廃止を進める前に、名鉄駐輪場の実績をじっくり見届け、再検討する余地があるのではないかとの疑問も提起され、地域の意向との調和を目指す姿勢が求められている。
さらに、各議員からは、行政としての早急な対応を促す声が上がったことも、今後の見通しに影響を与えると考えられる。多様な交通手段を利用する市民が安心して自転車を使うことができるよう、どのような対策を講じていくのか、今後の動向が注目される。