令和4年1月27日、和歌山市議会は臨時会を開催し、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致の賛否を問う住民投票条例の制定についての審議が行われた。
国の制度による住民税非課税世帯への臨時特別給付金や新型コロナウイルス感染症対策に関する予算の議案が提案され、全会一致で可決された。
一方、議案第2号については各議員から様々な意見が出る中、戸田正人市議が議案の修正理由を詳述。彼は「住民投票は市民の権利であり、直接民主主義の実現」と強調した。
賛成者は住民の意思を尊重する重要性を訴えたが、反対派は「議会の議決権を侵害しかねない」と警鐘を鳴らした。参加者の中からは、住民投票の結果が議会の判断にどのような影響を与えるかについての懸念が多く見られた。
議論の中では、市議会の権限を抑制する条例案に対し、民主主義の根幹が損なわれるリスクが指摘された。具体的には、「過半数の市民の意思を尊重しなければならないという条文は、少数意見を無視することになりかねない」との意見も。
最終的に、議案第2号は全会一致で否決され、住民投票の実施は見送られることとなった。議長は「市民の声を尊重し、これからも議論を続けることが重要」との見解を示した。
市長の尾花正啓氏は、市民に対する情報提供や今回の議論を今後の行政運営に活かしていく方針を表明した。今後も議会と市民の意見を踏まえた議論の継続が求められるだろう。